歯科衛生士の業務従事者届、令和8年は届出の年

歯科衛生士の業務従事者届、令和8年は届出の年

年末の12月31日時点で働いている歯科衛生士は、年明けの1月15日までに「業務従事者届」を出す。歯科医師も同じ日付で「歯科医師届」を出す。どちらも2年に1回なので、前回どうやったかを覚えている人が院内にいない、ということが起きます。

先に結論です。令和8年は、この2年に1回の届出の年に当たります。令和8年12月31日現在の状況を、令和9年1月15日までに届け出ます(歯科医師法第6条第3項・歯科衛生士法第6条第3項と、それぞれの施行規則)。産休や育休で休んでいるスタッフも、退職していなければ届出が要る、と案内している県があります。この記事では、誰が、どこへ、何を届け出るのか、医院の側で何を準備しておけばよいかを、条文と厚生労働省・県のページで確かめます。

目次

歯科医師の届出 ── 歯科医師法第6条第3項

歯科医師法第6条第3項は、すべての歯科医師に届出を義務づけています。基準の日は、厚生労働省令で定める2年ごとの年の、12月31日です。その日現在の状況として、氏名と住所を届け出ます。歯科医業に従事している人は、従事している場所も書きます。ほかに厚生労働省令で定める事項もあります。出す期限は翌年の1月15日で、届け出る相手は厚生労働大臣です。住所地の都道府県知事を経由します。同じ項のただし書きによると、電子情報処理組織を使って届け出るとき(オンラインの届出)は、都道府県知事を経由しなくてかまいません。

「2年ごとの年」は、歯科医師法施行規則第6条第1項が決めています。昭和57年を初年として、そこから2年ごとの各年です。同じ条の第2項は、第2号書式で届け出ることとしています。

第6条第3項に違反した者は、第31条の3第1項第1号により、50万円以下の罰金です。

歯科衛生士の届出 ── 歯科衛生士法第6条第3項

歯科衛生士法第6条第3項によると、届け出るのは、業務に従事する歯科衛生士です。基準の日は、歯科医師と同じく、厚生労働省令で定める2年ごとの年の12月31日。その日現在の氏名や住所など(ほかの事項は厚生労働省令で定めます)を、翌年1月15日までに届け出なければなりません。出す先は、就業地の都道府県知事です。歯科医師は住所地、歯科衛生士は就業地で、出す先の考え方が違います。

歯科衛生士法施行規則第9条第1項によると、「2年ごとの年」は、平成2年を初年として、そこから2年ごとの各年です。第2項は、届け出る事項を4つ挙げています。

  1. 氏名と年齢
  2. 住所
  3. 名簿の登録番号と登録年月日
  4. 業務に従事する場所の所在地と名称

届出の様式は、第3項で様式第5号とされています。第6条第3項に違反した者は、歯科衛生士法第20条第1号により、30万円以下の罰金です。

ここからは筆者の読み方です。昭和57年から2年ごとに数えても、平成2年から2年ごとに数えても、令和6年の次は令和8年です。どちらの届出も、令和8年12月31日現在の状況を、令和9年1月15日までに出す回になります。

医院がとりまとめてオンラインで出せる

厚生労働省の「医療従事者による2年に一度の届出(三師届・業務従事者届)について」のページによると、医師・歯科医師・薬剤師の届出(三師届)と、歯科衛生士・歯科技工士・看護職などの業務従事者届は、もともと紙だけでした。令和4年度からは、勤め先の医療機関等がとりまとめたうえで、インターネットで届け出られるようになっています(紙も引き続き使えます)。医療機関等の例には、歯科診療所も挙がっています。

同じページには、2年ごとの届出をしないと、「医師等資格確認検索システム」に氏名等が原則として載らない、という注意もあります。紙で出す場合、歯科医師の届出票は住所地又は従業地の保健所へ、歯科衛生士と歯科技工士の届出票や手続きは各都道府県に問い合わせるよう案内しています。

このページの更新の記録は、令和6年の届出のときのものです(この記事を書いた令和8年10月1日時点)。令和8年の届出の案内は、ページが更新されてから確かめてください。

休んでいるスタッフも届出が要る

前回(令和6年)の県の案内から、医院の側で迷いそうな点を拾います。

  • 神奈川県:12月31日現在で業務に従事している人が対象。勤め先を辞めていなければ、休んでいる人(休暇・休職・産休・育休・介護休業)も届出が必要。免許を持っていても、12月31日時点で職に就いていない歯科衛生士・歯科技工士は届出不要。紙とオンラインのどちらか一方で、1人1回
  • 千葉県:産前・産後や育児休暇中などで実際に業務をしていない人でも、就業先に属している人は届出が必要。紙で出すときは、勤め先の施設の所在地を管轄する保健所へ

上のとおり、神奈川県の案内では、休職中・産休中・育児休業中・介護休業中の人も、勤め先を退職していない限り届出が要ります。千葉県の案内では、産前・産後や育児休暇中などで実際に業務をしていない人でも、就業先に属していれば届出が要ります。ここからは筆者の読み方です。オンラインで医院がとりまとめるなら、12月の時点で在籍している歯科衛生士の一覧を先に作っておくと、漏れを防げます。産休・育休の手続きは歯科医院の育休、断れない ── 医院側の手続きと期限にまとめました。

今日からできること

  1. 届け出る人を書き出す。院長と勤務の歯科医師、歯科衛生士、院内に歯科技工士がいればその人も。休職中・産休中・育休中の人を落とさないようにします。
  2. 歯科衛生士の登録番号と登録年月日を集める。施行規則が挙げる届出事項です。免許証の写しで確かめます。
  3. オンラインでまとめるか、各自で紙で出すかを決める。医院でとりまとめる場合は、担当を決めておきます。
  4. 令和9年1月15日を予定に入れる。年末年始の休診をはさむので、12月のうちに準備を終えておくと安心です。

それでも残る面倒

2年に1回の手続きは、担当者が入れ替わると手順が途切れます。前回どの方法で出したか、誰がとりまとめたかを残しておかないと、毎回ゼロから調べ直すことになります。歯科衛生士が長く勤めてくれる医院ほど、この手続きは同じ人が繰り返すことになります(歯科衛生士が辞めない医院がやっていること)。

まとめ

  • 歯科医師は、2年ごとの年の12月31日現在の氏名・住所・従事する場所などを、翌年1月15日までに届け出る(歯科医師法第6条第3項)。2年ごとの年は昭和57年から(施行規則第6条)
  • 業務に従事する歯科衛生士は、同じく翌年1月15日までに、就業地の都道府県知事に届け出る(歯科衛生士法第6条第3項)。2年ごとの年は平成2年から(施行規則第9条)
  • 令和8年は届出の年。令和8年12月31日現在の状況を、令和9年1月15日までに出す
  • 令和4年度から、医療機関がとりまとめてオンラインで届け出られる。紙も使える
  • 前回(令和6年)の案内では、神奈川県は休職中・産休中・育休中などの人も退職していない限り、千葉県は産前・産後や育児休暇中などの人も就業先に属していれば、届出が必要としている

当たった条文と、厚生労働省・県のページ

事務長AIなら、ここが変わります

事務長AIの「従業員名簿」(開いた先の見出しは「人」)に、職種と免許番号を残しておけます。届出の前に、在籍している歯科衛生士を一覧で確かめられます。1月15日の期限は「期限」(見出しは「これから来るもの」)に、担当と一緒に登録できます。届出そのものは、これまでどおり厚生労働省のシステムか紙で行います。

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この記事を書いた人

近藤 宏海
近藤 宏海 株式会社ガラパゴスワークス 代表取締役

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私は歯科医院の事務の現場で、医院の開業から日々の運営まで、発注・納品・人の手続き・お金の管理を担ってきました。いまは歯科医院の開業コンサル・経営コンサルとして、ほかの医院の立ち上げや立て直しにも関わっています。

現場で「これがあれば」と感じたものを、自分の手で形にしたのが「事務長AI」です。いまも導入先の医院で使っていただきながら、改良を続けています。

記事では、現場で実際にぶつかった困りごとを、公的な資料で裏付けながら、明日から使える形でお伝えします。

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